電話に構える私。
母から電話がきた。
電話を取る前に身構える。
いい知らせならほっとするけど、悪い知らせなら、身構えている分落ち着いて話が聞ける。
今回の電話は、悪い知らせ。
父のガンは、胃の他に肺に転移しているかも知れない。と言う話。
まだはっきりはしていないけど、肺に影が写っているらしい。
ただ、これがガンによるものなのか、アスベストによるものなのか、わからない。
検査をして、わかるのが手術後。
父は若い頃、建築関係の仕事をずっとしていた。
だから、アスベストの可能性も考えられる。
それにしても、胃ガンがわかった時に、なんですべて検査していないのか?
転移している可能性だって考えられるのに、告知を受けてから1ヶ月あまり。
そういうものなのか?
父の手術は、来週にせまっている。
私も一旦、実家に帰る。
長くはいれないので、たった数日だけど、現実と向き合わなくちゃいけない時がせまっている。
弱っている父を見るのも、泣く母を見るのも、気が重い。
電話を受けるだけで、こんなに気が重いのに。
私の心が折れないように、自分を奮い立たせる日がせまっている。
きっと、なにもしてあげれない自分を責めてしまうだろう。
来週実家に帰って、私は何を思うだろうか。