うちのお父さんは、ザ・九州男児。
うちのお父さんは、ザ・九州男児。
頑固で亭主関白で、思い通りにならないと手が先に出る人だった。
私が小さい頃は、よくちゃぶ台をひっくり返していた。
仕事は建築関係の職人さん。
朝早く家を出て、帰ってくるのは、私が寝たあと。
土日も家にいる事は少なく、家族でご飯を食べる事は少なかった。
たまに一緒に食べると、
「箸の持ち方が悪い!」と手を叩かれ、
何が気にくわないのか、お膳をひっくり返した。
そんな父が大嫌いだった。
私以上に物心ついていた兄たちは、もっと嫌っていたと思う。
だんだんと私たち兄弟と父は、心が離れていった。
でも自業自得。
父との楽しい思いでは、何一つ思い出せない。
よく母が、
「お父さんに言えば買ってもらえるのに。」と言っていた。
でも私は、「お父さんに頼むくらいならいらない!」って言っていたなぁ。
今思えば、父は私を嫌っていた訳でななかったんだ。
接し方がわからなかっただけなんだろうと、理解出来る。
20歳を境に父との関わり方が変わった。
あんなに大嫌いな父だったのに、許せる自分がいた。
でも、1日でも早く家から離れたかった二十歳前半。
逃げるように結婚して、今の自分がいる。
19歳のあの日から私の人生は、それまでとはまったく違う生き方をする事になる。