二番目の兄
二番目の兄は知的障害者。
読み書きは出来ないけど、数年前までは独り暮らしをしていた事もあった。
見た目がいたって普通に見えるから、これがまたやっかい。
変な飲み屋の兄ちゃんに捕まって、呑み代を数十万円ふっかけられる事があった。
職質に合う事もある。
今は障害者手帳を持っているので、何かあればみせるように言っている。
自分で判断がつかない事は、必ず私に電話をするようにも言っている。
あとは、絶対に印を押すことや、署名しないようにと口をすっぱく言っている。
離れている分、心配でしょうがない。
だけど、二番目の兄は家族で一番、見えない何かに守られていると思う。
守護霊?ご先祖様?
よくわからないけど、昔からそんな気がしていた。
兄は昔から優しい。
歳が離れているからかも知れないけど。
昔はよく私に、服をプレゼントしてくれた。
働いたわずかなお金で買ってきてくれる。
それに私の事をよく、「M子は頭がいいから」と言ってくれる。
そんな兄に私は、恥じない生き方をしたいと思ってきた。
だけど現実は、後悔だらけの人生さ。
これからの家族の行く末を思うと不安で仕方ない。
私にもっと財力と力があったらと・・・。
今になって、なんでもっと堅実に生きてこなかったんだろうと後悔しっぱなし。
母に似て私も、お金管理は苦手らしい。